PC-9801
なぜ、98 は強いのか。98 論はその昔、当時からあった。いまでは見ることはない。
詳細は、その当時に発売された出版物もあるし今でも入手できるので、それでわかるだろう。
どうして 98 ばかり売れるのか。このことは、マーケティングの興味ある教材にでもなりそう。
魅力的なハードウェアを出し続けてきた。そして売れる。また魅力的になる。それが続いた・・・・と書きたいところだけど
実際は違う。いま振り返って自分の考えで書いてみる。
MS-DOS はハードウェアごとに用意しないといけない。どれも同じものだけど少しずつ違う。
その少しの差で売れるもの、売れないものがはっきりと分かれた商品はちょっとないだろう。
だから、マーケティング教科書のケーススタディになる。
メーカーとしてのNEC は豊富な開発環境を提供したわけでもない。NEC 純正は少ない。
サードパーティの多さと比較すると微々たるもの。周辺機器メーカーも PC-9801 対応製品を提供しただけと言える。
他のメーカーのパソコン対応もあったけど、とりあえず出しておく。そういう姿勢だった。
PC-9801 以外の製品はとにかく高価格で購入するために社内申請も通らなかったと思うぐらい。
PC-9801 の普及期にある MS-DOS は、MS-DOS 3.3 だけど、その MS-DOS 3.3 は、A,B,C,D と4つのバージョンがある。
ユーザを飽きさせないために矢継ぎ早に繰り出したのでない。技術の対応に漏れがないように、事細かく対応する必要が
あったためだ。主に、PC-DOS とは違う細かいアドレスの扱いなど(だったと思う)。NEC の開発部隊が他のPCの開発部と
比べると一枚も二枚も上手だったといえる。組織の大きさと要員の数の差もあったと思うし、他のPCメーカーではちょっと
太刀打ちできない規模だったのだろう。(内部事情は知らないから想像になる。)
どのような技術だったのか。
MS-DOS 3.3C のマニュアルから、システムコール。ファンクションコールのいくつかを掲載する。
パソコンのこと、コンピュータ技術と言ってもいいけどそれがどんな技術なのか知りたければこのマニュアルは
一読したほうがよい。
そんな、PC-9801 だったけど MS-WINDOWS 3.1 になって優位性もなくなった。
いま考えてもマーケティングの教材になりそうだけどネタにすらならない。
仮に、NEC の MS-DOS の完成品を1万メートルとすると、他パソコンの MS-DOS とその差は、例えると1m ほどになる。
別意見として100mぐらいはあるでしょう、と言う人もいるかもしれない。
拡張部分をみればそうだろうけど、その部分でもおなじことをすればよいので大差はない。
たったそれだけの違いで売れる・売れないがはっきりと明暗を分けた。こんな商品は他にはない。
PC-DOS は別物と言える。日本的に表現すると PC-DOS が本家で、MS-DOS 流の家元、MS は総本家になる。
PC-9801 は日本語をテキストをROMにしているためかメモリマップが少しずつ違う。
DOS/V は、Windws 3.1 と次期が重なるからちょっと評価しがたい。
MS-DOS で記憶をたどり思いつくことを書いたけどすっかり忘れていることに気づいた。
CONFIG.SYS は本当に憶えていない。何がそんなに困るのかというと
SCSI カード、モデムカードを使えるように設定しないといけない。
自分で設定して外付け機器を使えるようにしていた。もっとも現在、PC-9801 を使うこともないだろうけど。
98NOTE の増設メモリカードも懐かしい。4MB もあれば無限に使えると思ったものだ。
ただ、そんなに化石だろうか。今流行の行列演算のプログラムも作成できる。
何とかのツールをすぐ使うことをせず、自分で作成する。1000 本ノックだ。
むしろこちらの方がプログラミングに集中できること請け合いだ。
PC-9801 は、MS-DOS 以外に PC-UX と OS/2 があった。売れているパソコンだったからできた。
売れるとはこういうことだと思った。
98NOTE のレジューム機能はバグ落ちしたプログラムを引きずってバグあり状態で再起動する。それを繰り返す。
なんだか日本のIT業界のようだ。そうか、PC-9801 が原因だったのか。
2023/12/10